結局、座標空間で原子が連続的に分布していてる超流動相では運動量空間で原子が局在していて、
座標空間で原子が局在しているモット絶縁体相では運動量空間で原子が連続的に分布している事が解った。
上記のシミュレーションは原子を粒子として扱ったものだが、原子を波として扱ったシミュレーションを行っても
同様の結果を得られる。つまり、超流動相において、光定在波を切る直前の波動関数を適当において、
光定在波を切った後の波動関数の時間発展を、時間発展のシュレディンガー方程式で計算する。
このシミュレーションは
Science. 2001 Mar 23;291(5512):2386-9. Squeezed State in a Bose-Einstein Condensate
の記述に従って行った。
簡単にシミュレーション内容を説明すると、
1方向に12個格子サイトが在り、光定在波を切る直前の各格子サイトにおける波動関数を、
隣のサイトに裾が到達するほどのガウシアンとする。
そして、時間発展するシュレディンガー方程式でこれらの12個の波束の拡散と干渉を計算する。
シミュレーション結果
ここでは超流動相の場合のシミュレーションしか行っていないが、
結局は各サイトにおける原子の個数ゆらぎ冢 と原子の波動関数の位相ゆらぎ刄モ との不確定性である。
超流動相では冢 が非常に大きく刄モ = 0 であるために各サイトの波動関数どうしに干渉性があり、
原子集団の映像にはっきりとしたパターンが見られる。
モット絶縁体相では冢 = 0 で刄モ が非常に大きいためにサイト間での干渉性が全く無く
原子集団の映像には何のパターンも見られない。 |