物は何からできている？

物は何からできている？

電子と陽子と中性子

まずはこの世の中のものについて少し考えてみる事にしよう。ちょっと回りを見渡すと、固いものや柔らかいもの、または電気を通すもの通さない物など、さまざまな物質がある。そして物にはそれぞれに豊かな性質がある…たとえば紙と金は明らかに異なる性質を持っている事は、誰しも実感できるだろう。
物は何からできているのだろうか？この疑問は数千年前から疑問であった。たとえば、水と火と空気と土とかが５大元素とかと言われてたりした。しかし皆さんはこの世の中のものは、分子からできていると習っただろう。またその分子は沢山の種類の原子がくっ付いてできているとも習った事があるかもしれない。原子は水素、ヘリウム、リチウム…と、沢山ある事をご存知であろう。化学では、化合物や化学反応みたいな、原子がくっ付いたとかの話が主な話題になるので、原子レベルより小さいスケールで考えたりする事はあまりない（たぶん）。

それでは原子は何からできているのであろうか？非常に沢山の種類がある全ての原子は、電子と陽子と中性子から作られている。今なにを考えていたかというと、身の回りにある沢山の物質は何からできているのかを考えていた。そう、つまりたった3種類の粒子から、多種多様な物質が作られているのだ。これは驚くべき事ではないだろうか？金も紙も、たった3種類の積み木をがしゃがしゃ組み合わせて作られているのだ！原子がたった3種類の粒子から作られているのに、いろんな物質があるのは非常に不思議な事である

電子が原子核の周りを回っている

20世紀初め、原子は電子と陽子と中性子から作られている事がわかっていたが、実際にどのように組み合わされて原子が作られているのかわかっていなかった。ある人は、ぶどうパンのようなモデル（ぶどうが電子、パンが陽子みたいなモデル）を考え、また長岡さんは土星のようなモデル（土星が陽子でその輪がびっしりと並んだ電子）を提案していた。（この二つに共通する事は、どちらも電子が動く事により電磁波が出ないようなモデルになっている事に注意。もし自由に動き回っていると、電子が電磁波を出して超安定状態にあるべきである原子が不安定になってしまう。長岡のモデルは、電子がびっしり詰まっている事によって、定常電流が流れているような状態になっている。）

この二つのモデルのどちらが正しいかを決定的に決めたのは、ラザフォードであった。彼は金の薄膜にα線（ヘリウムの原子核）をぶつけて、どのくらい貫通するか、または跳ね返るかを調べる実験をした。普通、原子がどうなっているのかが知りたくても、直接顕微鏡とかで原子を観測する事はできない。だから一般的に原子を調べる時には、原子に何かをぶつけて、そのぶつかり具合を調べることにより原子がどうなっているのを調べるのだ（ご存知かもしれないが、最近はSTMで直接電荷分布を測定する事はできている）

ラザフォードはα線を金にぶつけると、全てのα線が金を貫通すると予測していた。しかし、実験をしてみると、驚いた事にごくわずかだが跳ね返っているα線もあった。これは一体どういう事なのだろうか？

ラザフォードはこの驚くべき実験結果について考察をし、ある一つの結論に達した。

原子の質量のほとんどは中心に集中している

そう考えると、実験をうまく説明できるのだ。下に直感的な図を書いているので、みていただきたい。

これはα線を原子にぶつけた時のイメージである。原子の赤いのが原子核で、灰色のもやもやしたのが原子の大きさを表わしている。仮に、原子の中心の小さい領域に原子の質量のほとんどが集中していると仮定すると、この原子核にたまたま正面衝突した場合のみ、α線は跳ね返り、それ以外の場合は貫通するという実験結果をうまく説明する事ができる

その仮定のもと、ラザフォードはα線が反射する割合から、原子核の大きさを見積もってみた。その結果は、原子の大きさが10^-9 [m] で、原子核の大きさは10^-14[m] くらいであった。あまりに小さすぎて、この大きさのスケールにピンこないかもしれないので、たとえてみよう。仮に原子核の大きさを1cmとしたら、原子の大きさはどのくらいになるであろうか。なんと原子全体の大きさ（電子が回っているところ）は100mにもなるのだ!!! つまり、パチンコ玉を原子核とすると、野球場が原子なのである。原子核が如何に小さいかがイメージできるのではないだろうか…。また、原子核が中心にあり電子が外にあるので、原子核の周りを電子が回っている事になる。

ラザフォードはこの業績によりノーベル賞を受賞した。

ここでは物を作っている原子がどのようになっているかを簡単に説明した。しかし、電子、陽子、中性子のたった3つから作られているのに、なぜ豊かな性質を持っているかについては答えていない。これはとても難しい問題で、いろいろな物理がが絡んできている。いくつかはそのうちお話したい。: まずはこの世の中のものについて少し考えてみる事にしよう。ちょっと回りを見渡すと、固いものや柔らかいもの、または電気を通すもの通さない物など、さまざまな物質がある。そして物にはそれぞれに豊かな性質がある…たとえば紙と金は明らかに異なる性質を持っている事は、誰しも実感できるだろう。
物は何からできているのだろうか？この疑問は数千年前から疑問であった。たとえば、水と火と空気と土とかが５大元素とかと言われてたりした。しかし皆さんはこの世の中のものは、分子からできていると習っただろう。またその分子は沢山の種類の原子がくっ付いてできているとも習った事があるかもしれない。原子は水素、ヘリウム、リチウム…と、沢山ある事をご存知であろう。化学では、化合物や化学反応みたいな、原子がくっ付いたとかの話が主な話題になるので、原子レベルより小さいスケールで考えたりする事はあまりない（たぶん）。

それでは原子は何からできているのであろうか？非常に沢山の種類がある全ての原子は、電子と陽子と中性子から作られている。今なにを考えていたかというと、身の回りにある沢山の物質は何からできているのかを考えていた。そう、つまりたった3種類の粒子から、多種多様な物質が作られているのだ。これは驚くべき事ではないだろうか？金も紙も、たった3種類の積み木をがしゃがしゃ組み合わせて作られているのだ！原子がたった3種類の粒子から作られているのに、いろんな物質があるのは非常に不思議な事である
電子が原子核の周りを回っている

20世紀初め、原子は電子と陽子と中性子から作られている事がわかっていたが、実際にどのように組み合わされて原子が作られているのかわかっていなかった。ある人は、ぶどうパンのようなモデル（ぶどうが電子、パンが陽子みたいなモデル）を考え、また長岡さんは土星のようなモデル（土星が陽子でその輪がびっしりと並んだ電子）を提案していた。（この二つに共通する事は、どちらも電子が動く事により電磁波が出ないようなモデルになっている事に注意。もし自由に動き回っていると、電子が電磁波を出して超安定状態にあるべきである原子が不安定になってしまう。長岡のモデルは、電子がびっしり詰まっている事によって、定常電流が流れているような状態になっている。）

この二つのモデルのどちらが正しいかを決定的に決めたのは、ラザフォードであった。彼は金の薄膜にα線（ヘリウムの原子核）をぶつけて、どのくらい貫通するか、または跳ね返るかを調べる実験をした。普通、原子がどうなっているのかが知りたくても、直接顕微鏡とかで原子を観測する事はできない。だから一般的に原子を調べる時には、原子に何かをぶつけて、そのぶつかり具合を調べることにより原子がどうなっているのを調べるのだ（ご存知かもしれないが、最近はSTMで直接電荷分布を測定する事はできている）

ラザフォードはα線を金にぶつけると、全てのα線が金を貫通すると予測していた。しかし、実験をしてみると、驚いた事にごくわずかだが跳ね返っているα線もあった。これは一体どういう事なのだろうか？

ラザフォードはこの驚くべき実験結果について考察をし、ある一つの結論に達した。

原子の質量のほとんどは中心に集中している

そう考えると、実験をうまく説明できるのだ。下に直感的な図を書いているので、みていただきたい。

これはα線を原子にぶつけた時のイメージである。原子の赤いのが原子核で、灰色のもやもやしたのが原子の大きさを表わしている。仮に、原子の中心の小さい領域に原子の質量のほとんどが集中していると仮定すると、この原子核にたまたま正面衝突した場合のみ、α線は跳ね返り、それ以外の場合は貫通するという実験結果をうまく説明する事ができる

その仮定のもと、ラザフォードはα線が反射する割合から、原子核の大きさを見積もってみた。その結果は、原子の大きさが10^-9 [m] で、原子核の大きさは10^-14[m] くらいであった。あまりに小さすぎて、この大きさのスケールにピンこないかもしれないので、たとえてみよう。仮に原子核の大きさを1cmとしたら、原子の大きさはどのくらいになるであろうか。なんと原子全体の大きさ（電子が回っているところ）は100mにもなるのだ!!! つまり、パチンコ玉を原子核とすると、野球場が原子なのである。原子核が如何に小さいかがイメージできるのではないだろうか…。また、原子核が中心にあり電子が外にあるので、原子核の周りを電子が回っている事になる。

ラザフォードはこの業績によりノーベル賞を受賞した。

ここでは物を作っている原子がどのようになっているかを簡単に説明した。しかし、電子、陽子、中性子のたった3つから作られているのに、なぜ豊かな性質を持っているかについては答えていない。これはとても難しい問題で、いろいろな物理がが絡んできている。いくつかはそのうちお話したい。: 20世紀初め、原子は電子と陽子と中性子から作られている事がわかっていたが、実際にどのように組み合わされて原子が作られているのかわかっていなかった。ある人は、ぶどうパンのようなモデル（ぶどうが電子、パンが陽子みたいなモデル）を考え、また長岡さんは土星のようなモデル（土星が陽子でその輪がびっしりと並んだ電子）を提案していた。（この二つに共通する事は、どちらも電子が動く事により電磁波が出ないようなモデルになっている事に注意。もし自由に動き回っていると、電子が電磁波を出して超安定状態にあるべきである原子が不安定になってしまう。長岡のモデルは、電子がびっしり詰まっている事によって、定常電流が流れているような状態になっている。）

この二つのモデルのどちらが正しいかを決定的に決めたのは、ラザフォードであった。彼は金の薄膜にα線（ヘリウムの原子核）をぶつけて、どのくらい貫通するか、または跳ね返るかを調べる実験をした。普通、原子がどうなっているのかが知りたくても、直接顕微鏡とかで原子を観測する事はできない。だから一般的に原子を調べる時には、原子に何かをぶつけて、そのぶつかり具合を調べることにより原子がどうなっているのを調べるのだ（ご存知かもしれないが、最近はSTMで直接電荷分布を測定する事はできている）

ラザフォードはα線を金にぶつけると、全てのα線が金を貫通すると予測していた。しかし、実験をしてみると、驚いた事にごくわずかだが跳ね返っているα線もあった。これは一体どういう事なのだろうか？

ラザフォードはこの驚くべき実験結果について考察をし、ある一つの結論に達した。

原子の質量のほとんどは中心に集中している

そう考えると、実験をうまく説明できるのだ。下に直感的な図を書いているので、みていただきたい。

これはα線を原子にぶつけた時のイメージである。原子の赤いのが原子核で、灰色のもやもやしたのが原子の大きさを表わしている。仮に、原子の中心の小さい領域に原子の質量のほとんどが集中していると仮定すると、この原子核にたまたま正面衝突した場合のみ、α線は跳ね返り、それ以外の場合は貫通するという実験結果をうまく説明する事ができる

その仮定のもと、ラザフォードはα線が反射する割合から、原子核の大きさを見積もってみた。その結果は、原子の大きさが10^-9 [m] で、原子核の大きさは10^-14[m] くらいであった。あまりに小さすぎて、この大きさのスケールにピンこないかもしれないので、たとえてみよう。仮に原子核の大きさを1cmとしたら、原子の大きさはどのくらいになるであろうか。なんと原子全体の大きさ（電子が回っているところ）は100mにもなるのだ!!! つまり、パチンコ玉を原子核とすると、野球場が原子なのである。原子核が如何に小さいかがイメージできるのではないだろうか…。また、原子核が中心にあり電子が外にあるので、原子核の周りを電子が回っている事になる。

ラザフォードはこの業績によりノーベル賞を受賞した。

ここでは物を作っている原子がどのようになっているかを簡単に説明した。しかし、電子、陽子、中性子のたった3つから作られているのに、なぜ豊かな性質を持っているかについては答えていない。これはとても難しい問題で、いろいろな物理がが絡んできている。いくつかはそのうちお話したい。

とっぷぺーじ