このような量子効果は、我々にとって不可避の邪魔な存在なのでしょうか?最近の研究により、光や物質の量子状態を制御することにより、量子揺らぎによる限界を乗り越えられることが示されただけでなく、量子力学の原理をうまく利用すると、古典的にはありえない新しい応用が可能であることが分かってきました。
例えば、量子力学的な測定は必ず測定対象に影響を与えるという原理を使って盗聴不可能な通信、量子暗号通信が可能になります。量子計算は、状態の重ね合わせの原理を利用した"高速"な計算を可能にする技術です。また、量子揺らぎをスクイージングすることにより、標準量子限界を超えることができます。 当研究室では、レーザー等の光技術を使って、光及び物質の量子力学的な性質を実験的にどのようにして制御すれば良いのかについて研究します。また、その成果を生かして、量子情報処理といった新しい研究分野の開拓を目指します。