重力場中での物体の運動


重力とはおもしろい。たしか重力とは、一般相対性理論によると空間をゆがませて、その効果によって物体に力を加えているように見えるという。重力に関することで今まで考え違いをしていた。それは、「重力場中での、重力場以外の外力が加わっていない状態での運動では、重力場の影響を直接実感することはできない。」ということを考えていなかった。このことは、「地球を質点として考えたときに、太陽の重力とか月の重力とかの影響を考えなくてよい」ということである。

どういうことであるかというと、重力場中においては回りのものすべてが同じ加速度で運動していることになる。つまり、重力場中ではすべてのものが同じように動き回っているので、その重力場による影響を感じることはできないのだ。これはなんか不思議なことだが、自由落下のことを考えればイメージしやすい。飛行機からスカイダイビングで自由落下したときの人は、重力加速度gでの加速度運動をしているわけだが、その落下している人は地球の重力を感じることができない。自由落下中の人は無重力状態と同じことである。「流れに身をまかせると流れを感じることはできない。流れに逆らってこそ、はじめてその流れを実感できるのではないか」流れるプールにただ浮かんでいるだけでは、その流れを実感することができない。逆らってこそはじめてその流れを実感できる…

しかし、ここで大きな問題がある。ただ単にまったく何もない無限に広い空間がある。そこに地球(孫悟空がいるとする)と100キロメートルぐらい離れたところにベジータがいるとする。ベジータから見れば地球が加速度運動をしながら近づいてくるように見える。孫悟空から見ればベジータが近づいてきているように見える。 ベジータはもちろん自分にかかっている加速度を知るすべはない(彼は無重力状態を感じているから)。孫悟空も当然わからない…さて、いったいどうしたらこの二つの物体にかかっている力を知ることができるだろうか?

たぶん地球にいる孫悟空と宇宙にいるベジータだけではわからないだろう。固定された場所から見ているもう一人の別の人、フリーザがいれば、地球の重力に吸い寄せられていくベジータが一目瞭然でわかる。しかし何もない無限に広い空間において、そんな固定されている点はない。しかし、ベジータだけでは話しが進まないからフリーザも登場させる。ただし、固定されていたりせずにベジータと同様に地球から100キロメートルはなれていて、さらにベジータからから5キロメートルほど離れている場所にフリーザがいたとする。ベジータとフリーザからは地球がそれぞれ同じ加速度gで接近しているように見える。 2人は無線(スカウター?)で交信する。
ベジータが言う「フリーザ!!地球が俺様に近づいてきているぞ。」、
フリーザ言う「俺にもそう見えるぞ。」
ベジータ言い返す「なんだと!いったいどういうことだ?」
ベジータ、フリーザはそれぞれ地球の中心の方向に引き寄せられていることになる。だから、二人が地球に90キロ、80キロと近づけば近づくほど、2人の間の距離は5キロ4キロ…と近づいていくことになる(よくわからなければ図を書いてみてください)。
ベジータ言う「地球がどんどん近づいてきたぞ!!やばい、ぶつかるー」
フリーザ言う「俺もだぁぁぁ」
どっこーーーん
地球にぶつかってみたら、フリーザはベジータから数100メートルのところにいた…
ベジータ言う「いったいどういうことだ?初め俺達は5キロメートルは離れていたはずだ。それがなぜ100メートルのところにおまえがいるんだ?」
フリーザ返す「俺達は地球に吸い寄せられていたということだろう…しかしなぜ二人の距離が縮まったんだ?」

ベジータから見て地球が近づいてきているように見えた、フリーザから見ても地球が近づいてきているように見えた。これだけではまだ地球が近づいてきているのか、二人が吸い寄せられているのかがわからない。しかし二人の距離が縮まったというのがすごく大事なことで、この事実によってベジータとフリーザが吸い寄せられたことがわかる。アインシュタインの一般相対性理論での結論(?)に重力によって空間が曲げられる という理論がある。彼らは重力によって曲げられた空間を自由落下していったために、お互いの距離が縮まったのである。 (ベジータ、地球、フリーザが一直線上にいた場合には、明らかに吸い寄せられていることを知ることができるだろう)

またもう一つの結論で、重力場中をに運動していても実際に直接重力を感じることはできないのである。 直接というのが重要で、「地球上でちゃんと重力を実感できるじゃないか!!」といいたい方も大勢いるだろうが、 直接感じているのではなく、地面から「垂直抗力」で押し返されてはじめて実感できるのだ。 たとえば宇宙空間に人がいて、その人が地球と月と太陽の引力で引っ張られていても、その人が力を受けていると感じることは決してない。それは、人が太陽や地球に比べてすごく小さいということで、極所的に近似で成り立っているのであるが…

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とっぷぺーじ